シックハウスへの批判の高まりに対応するため、建設省ほか三省庁が合同して、平成八年七月に学識経験者、業界団体、関係省庁で構成する「健康住宅研究会」が発足した。この研究会で平成九年度末までに健康住宅のガイドラインを作成しようと言うことになった。その中間報告が去る六月に発表された。これは化学物質が人の健康に及ぼす悪い影響を低減させようと言うもので、プロ向けの住宅設計・思考ガイドライン(案)と、ユーザー向けのマニュアル(案)の二つからなっている。さらに詳しい報告は平成九年度末に出される予定になっていることは先にも述べた。ところで研究会が、優先的に基準を決めようとして取り上げた化学物質は、下記のようなものである。ホルムアルデヒト、トルエン、キシレン、木材保存剤、可塑剤、防蟻剤この中で一番問題になっているのは、発ガン性のあるとされているホルムアルデヒトである。その濃度について、去る六月に厚生省は国の基準として「三十分間平均値で、〇.一ミリグラム/立方メートル」とすることを発表しました。これはPPMに換算すると〇.〇八に相当する値で、世界で最も厳しいとされる世界保健機構(WHO)の基準と同レベルである。その適用にしかたについては、いずれ健康住宅研究会のガイドラインで示されることになるはずである。 |
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