木の知識
■なぜ木は腐るのか
「桧(ヒノキ)と言う木は耐久性がある」とか「国産材は日本の気候に一番合っている」「千年生きた木は千年持つ」とか木材については、特に耐久性については諸説あって、それぞれがある意味では正しいのですが、別の意味では全くの間違いと言うことが多々あります。「うちの田舎の家は杉だが、100年持っている」「日本古来の建築工法で国産材を使うと何百年でも持つ」「堤防の護岸工事に使った松の木は20年たっても腐っていない」「法隆寺は檜だから1000年以上も耐久性があるのだ」などよく言われますが、木材は腐朽菌が繁殖しなければ腐りません。菌が繁殖する条件は学術書などによると6つぐらいの条件があるのですが、簡単に実際的なことから言うと2つだけなのです。しかも or条件ではなくand条件(満足条件)なのです。水と酸素の2つが同時に存在することです。つまり、水か酸素のどちらかがなければ腐らないのです。 法隆寺の柱が腐らないのは、水がかかってもすぐ下に流れ落ち、風通しの良いからです。しかし法隆寺の柱も最近流行のウォータフロントのデッキに使用すると5年と持ちません。また、水の中につけられたり土のなかに埋められていると、酸素がないため木は腐りません。古代の修羅が原形のまま発掘されたり、1500年前の飛鳥のお寺の柱が出てくるのはこのためです。