合板の貼り合わせ枚数は原則奇数枚です。
合板が複数枚になっている理由は第一に強度増加、第二に寸法安定のためです。しかしどうして偶数枚でなくて奇数枚になっているのでしょうか?
木材物理の学術的な理論では、木材の性質を打ち消すために奇数枚になっているというのが、答えなのですが、現実的、経済的な理由は奇数枚でないと生産上非常に効率の悪いものになるからです。
合板は縦方向繊維と横方向繊維のベニヤ単板を互い違いに貼り合わせています。例えば5枚プライの合板だとすると2枚目と4枚目のベニヤ単板の両側に接着剤をつけてプレスすれば完成です。しかし、これが6枚プライ*にすると、2枚目と4枚目の両側に接着剤をつけて5枚目の片側のみに接着剤をつけねばなりません。5プライであれば2工程のものが6プライにすると3工程に増えます。又両面接着剤と片面接着剤と2種類の接着剤塗布ラインが必要になります。それではすべての接着ラインを片側のみの接着剤塗布にすれば解決しますが、それでは2工程ですむところが倍の4工程に手間がかかります。これらが奇数枚の一番大きな理由です。又、奇数枚と言うことは表面の合板の繊維方向と裏面の繊維方向が必ず一致します。そして表面の化粧面は長い方向に繊維の縦方向が来るように貼り合わせてあります。偶数枚ではその方向は90度異なります。もし両側化粧の合板があるとすると、裏面と表面は違う方向になり、化粧上まずいことになります。