なぜ木は腐るのか
「ヒノキと言う木は耐久性がある」とか「国産材は日本の気候に一番合っている」「千年生きた木は千年持つ」とか木材の耐久性については、諸説ありそれぞれがある意味では正しいのですが、
別の意味では全くの間違いということが多々あります。「うちの田舎の家はスギ材だが、100年持っている」「日本古来の建築工法で国産材を使うと何百年でも持つ」
「堤防の護岸工事に使った松の木は20年たっても腐っていない」「法隆寺はヒノキだから1000年以上も耐久性があるのだ」などよく言われますが、木材は腐朽菌が繁殖しなければ腐りません。
菌が繁殖する条件は学術書などによると6つぐらいの条件があるのですが、簡単に実際的なことから言うと2つだけなのです。しかも OR条件ではなく、AND条件(2つとも満足する条件)なのです。水と酸素の2つが同時に存在することです。
つまり、水か酸素のどちらかがなければ腐らないのです。 法隆寺の柱が腐らないのは、水がかかってもすぐ下に流れ落ち、風通しが良いからです。
しかし、法隆寺の柱をウォーターフロントのデッキ材として使用すると、約5-10年くらいではないでしょうか。また、水の中につけられたり、土のなかに埋められていると、酸素がないため木は腐りません。
古代の修羅が原形のまま発掘されたり、1500年前の飛鳥のお寺の柱が出てくるのはこのためです。