これまで日本人は広葉樹の類いはあまり好きではありませんでした。植林はスギ・ヒノキに 代表される針葉樹であり、広葉樹の山は「雑木林」 に格落ちします。ブナにいたっては漢字で「木」偏に無と書いて木の内 には入らないと言う考えでした。楢の木の生えている楢山はおじいさん、おばあさんの姥捨ての山のことでした。ところが、ヨーロッパへ行くと オークは最高の木材であり、オーク勲章であり、戦艦ロイヤルオーク であり、オークスピリットで頑張ろう・・・という表現です。このようなことから、明治時代に辞書を作った日本の翻訳者は「これだけ人気の あるオークと言う木は、あの箸にも棒にもかからない楢の木である はずがない」と思いこみ、比較的性質、外観が似ている樫とし「オーク」を「樫」の木と訳してしまいました。 最近の辞書では誤訳であったと認めているものもありますが、あいかわらず「樫」のままのものも多いです。最近のベストセラーになっている「ハリーポッター」シリースでも「樫」と訳されています。樫のドアーというのはちょっと想像できませんね。