木の世界の生存競争

芽の出たものすべてが育つのではなく、一定の割合の木しか生育しません。生き残るものが「優生木」、枯死してしまうのが「劣生木」といいます。天然林が100本芽を出してとしても、生長段階に応じて減っていき、最終的に残るのは5-10本程度です。どうしてそうなるのかは自然の理というしかありません。10年目ぐらいから植物の生存競争は始ります。この時期に生長が何らかの事情で遅れると他の木の樹冠*の下で陽光が十分に受けれず、光合成が行われないため、枯死してしまうのです。これも一種の弱肉強食の世界といえます。(人工林では天然林ほど生存競争は厳しくありません)
*樹冠(じゅかん)とは、英語でtree crown、独語でKrone 1本の樹木の枝や葉の茂っている部分である。樹種によってその形態が異なるため樹種の同定に役立つ。樹冠上層の主に陽葉からなる部分を陽樹冠、下層の主に陰葉からなる部分を陰樹冠という。 学術界では「樹冠(じゅかん)」という言葉は樹幹、樹間、樹乾などと音が同じで不便が多いため独逸語のクローネをそのまま使っている。