木の知識
■木製サッシ
日本の住宅から木の窓が姿を消しはじめてもう30年以上現在では全国の窓の90%以上がアルミサッシになっています。でも、最近北海道をはじめ東北、北陸などの寒冷地で変化が起こり、結露しにくいということで木製サッシの人気が高くなってきました。冬にアルミサッシが結露して、その結露水が凍りつき窓が開かなくなることがよくあります。そこで、PVC(ポリ塩化ビニル)で窓枠をつくった樹脂サッシができ、現在、北海道では住宅の窓の80%以上が樹脂サッシ。現在東北地方でも見られるようになり、南下の傾向があります。一方、木材はPVCとほとんどおなじなので、樹脂サッシ並の気密性能や水密性能であれば、木製サッシは寒冷地に適したサッシといえます。特に、木材には調湿機能があり、結露に対しては優れた性能を発揮します。また複層ガラスを併用することで夏季の冷暖負荷の軽減にも役にたつはずです。実際、九州でも評判になっているようです。最近普及している木製サッシの先進地であるヨーロッパやアメリカの技術、気密材や金具などの資材を使って以前の木製建具とは比べものにならないほど気密や水密といった窓の基本性能が向上しています。もちろん、木材であるがゆえの欠点もあります。燃える、腐るなどですが現在では塗料の性能向上によって十分な耐用年数があります。また、見方を変えれば、破棄するのにエネルギーを必要とする樹脂やアルミなどと違って自然に帰りやすい、環境に負担の少なく商品といえます。