その2 ---------------------------
一口に容器と言っても、現代ではプラスチック、アルミなどいろいろな素材のものがあります。木材で容器を造れるようになったのは江戸時代になってからです。それまでは、焼き物・土器の類いに液体等を入れておりました。これでは当然多くの量を入れることは出来ず、長距離の輸送には破損してしまいます。江戸の町に多くの人が住めるようになったのは、軽くて丈夫な杉の樽が開発され、醤油、漬け物、酒、食料が大消費地江戸に運搬できるようになったからです。しかもこれだけではなく、江戸の人々の排泄物は下肥として近郊農家が高く買い取りましたが、杉の樽のおかげ運搬はスムーズにできました。その当時ヨーロッパの都市では排泄物は窓から道路に放り投げていましたので、衛生状態が悪く伝染病が蔓延していましたが、江戸の町は杉樽の肥桶のおかげで世界で最も衛生状態の良い都市でした。 |