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地震に強いログハウス

新潟県中越地震ログハウス被害調査報告書から
平成16年10月23日に発生したマグニチュード6.8、震度7の「新潟県中越地震」により、「10万棟」強の住家が一部損壊を含め被害を受けたと報告されています。ログハウスの耐震性については、平成7年1月に発生した「阪神・淡路大震災」の際にも名古屋大学の平嶋教授を団長とした調査が行われ、ログハウス(以下、「ログ」という)の高い耐震性が認められています。しかしながら、今回の地震は、阪神・淡路大震災と異なり、本震に加え、マグニチュード6以上の余震が4回発生していること、また、平成14年の技術基準の改正により二階建て、三階建てログの出現等、状況が大きく変化していることから、今回の地震でも同様の耐震性が認められるのかどうか、検証することになりました。調査は、(財)日本住宅・木材技術センターの「室田 達郎」試験研究所長を団長する現地調査と「ログ協会会員アンケート調査」による被害状況調査で平成16年12月実施しました。
その結果、アンケート調査では、震度5強以上の地域に会員が、住宅、別荘等を53棟建築しており、その内、45棟が全く被害なし、7棟が継続使用に支障の無い程度の軽微な被害となっており、残りの1棟は、地盤崩壊により傾いていると回答されています。現地状況調査では、調査棟数9棟の内、7棟が全く被害なし、残り2棟は、地盤崩壊により、全壊状態となっています。 この調査のまとめとしては、「震源に近く、激しく揺れた建物でも構造上の損傷はなく、ログの耐震性は、他の構造のものと比較して高い」とされています。なお、甚大な被害を受けたログは、いずれも「地盤崩壊」によるものであり、建築前の入念な地盤調査とその結果に基づく、最適な基礎工事の選択が必要とされています。