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ログハウス施工マニュアル

3.作業

3.32 セトルダウン

  セトルダウンを知らずにはログを語れないといわれるくらい大切なものです。
  ログが乾燥している場合は、セトルダウンはほとんどおこりません。
  在来軸組の日本住宅、及びポスト&ビーム構法では、主に木材は立てて繊維方向に使いますが、校倉のログハウスの場合のように、木材を横(板目)方向に使い、生木から乾燥させた場合、針葉樹丸太材での長さ方向(繊維方向)の収縮率は、0.19~0.3%ぐらいなのに対し、直径方向(板目方向)の収縮率は3.0~5.0%ぐらいになります(木材の性質及び乾燥の項参照)。ログの乾燥の進行により、耐力壁のセトルダウンがおこります。
  ハンドカットログの場合、丸太が長大で乾燥炉に入らない、径が太いので乾燥しにくいなどの理由から、生木(未乾燥材)を使うとセトルダウンは開口高さ×収縮率の割合でセトリングするので注意が必要です。
  階段の場合は、階段高さ×収縮率で計算します。間仕切り、ポスト等の場合もその高さ×収縮率です。例えば、開口部で2m高さのドアー枠でセトルダウンが5%とすると10cmですが、この場合で、ログウォールが4mある階段のセトルダウンは20cmにもなります。
  直階段の段板に勾配がついてしまったり、段板の最上段がロフトの床よりも高くなってしまうのです。セトリングスペースは、一般的には上側(鴨居)にとりますが、下側(敷居)にとることもあります。
  マシンカットの場合は、ある程度乾燥した部材を使用することが多いのですが、それでもセトリングは必要です。平均して2~3%ぐらいの収縮がおこります。
 

セトルダウン